この記事はこんな人に向けて書いています。

いきなりですが、僕は2017年度の三学会合同呼吸療法認定士の試験に合格しました。
今回はこの試験の勉強方法についてお話します。
過去問が公表されない試験のため、ネット上では
「去年はあの分野があんまりでなかったらしいから今年は出るかも…?」
「状況設定問題ってどうすればいいのさ!」
「そもそも全然勉強が進んでない…オワタ…」
といった阿鼻叫喚の声が毎年聞こえてきます。
特に10月、11月の時期になっても、ほとんど勉強が進められていない人にとっては、どこから勉強を進めていければよいかわからず、迷える子羊になる人も多いです。
僕は、運よく1発で合格することができましたが、今回は、僕なりの勉強方法と、当時の勉強の進め方を振り返ってみた改善点などをお話します。
この記事でわかること
- まだ試験勉強に本腰をいれていない人
- 普段の業務、プライベートでそれどころじゃない人
- とりあえず最小限の努力で合格したい人
短期間の対策でも、試験合格は十分に可能です。
ただし、初めから「時間がないから」と言って、諦めているようでは到底不可能。
「また来年があるし」と言っている方は、とても難しいです。やっぱりそれなりに難しい試験です。
ぜひ一発合格できるように、今のうちから対策をしていきましょう。
3か月前からの対策!効率的に勉強を進めるには!
例年、11月末に試験が予定されています。
人によって勉強の進み具合が違うと思いますが、まずは試験までに3か月の時間がある方へ向けてお話していきます。

個人的にオススメする勉強方法として、まず中心となるテキストは以下の5点です。
①講習会のテキスト
②青本
③呼吸療法認定士 再現過去問題集
④病気がみえる vol.4 呼吸器
⑤スマホ
それぞれ簡単に解説していきます。
①講習会テキスト
8月の必修講習会の前に配られたテキスト。
圧倒的なボリューム、広範囲の分野、聞いたことがない用語が盛りだくさんであり、手にした瞬間、心が折れることも少なくありません。
「テキストを見ると、品川プリンスホテルで座りぱなしの記憶を思い出す…めまいする…」
という人もいるのではないでしょうか。
②青本
呼吸療法認定士 予想問題集で、通称 青本と呼ばれています。
数量限定でネット注文からしか買えない問題集になります。
問題数の多さでは、ピカイチで、2020年度版は、800問以上の問題が載っています。

問題数の多さでは、他の呼吸療法認定士の試験問題集と比べても、とてつもない量の問題があります。
そのため、ネット上では、
「青本さえやれば試験に受かるよ!まずは青本!」
「青本サイコー!」
といった青本押しの人が絶えません。
しかし、青本だけでは、試験合格はぶっちゃけ難しいです…!
その理由については、下記で詳しく話します。
③呼吸療法認定 再現過去問題集
青本と比べると、やや知名度には欠けますが、認定士プロジェクトグループが出版している本です。
この本の良い点としては、
- 問題数が多い(約300問)
- 全ての問題が五者択一
- 解説が詳しい
- 状況設定問題が載っている
- ほとんど問題が講習会テキストから引用している
これらの点で、個人的にオススメの本です。
特徴的な点としては、講習会のテキストを元に作られているということ。
わからない点、詳しく知りたいことがあったら、講習会テキストを見返すことで、より理解を深められます。
問題の内容としては、5問択一式の問題で構成されています。
選択支が細かいことを聞いてくる問題があるので、難しめの問題が多い印象があります。

④病気がみえる vol.4 呼吸器
臨床でも使っている人多い病気がみえるシリーズの呼吸器です。
図やイラストが豊富なので、視覚的に覚えることができます。
講習会テキストではイメージしづらい疾病や病態の理解には、とても役にたちます。

試験が終わっても役にたつことが多く、値段もお手頃なので、1冊持っておくことをオススメします。
⑤スマホ
万能アイテム。
テキストを読んでいると
「なんだこれ、全然言っている意味わかんねーよ!」
といった場面に出会うことが多いですが、スマホで検索すると大体のことを解決してくれます。
病気がみえると合わせて、より理解を深めるために役にたちます。
試験3か月前からの具体的な勉強方法
まずは、青本を中心に勉強を行いましょう。
勉強の進め方としては、
青本の進め方
①問題を解いて、わかる問題は飛ばす。
②わからない問題は、講習会のテキストで解説が載っているところを探す。
③解説が載っていたページを、青本の問題にメモをとる。
④解説が載っていない問題は、スマホで探す。
⑤より理解を深める時は、病気がみえるを読む!
繰り返しになりますが、青本は問題数は多い反面、解説がほとんどありません。記載されている答えも時々、間違っています。
そのため上記の、②③の作業が大切で、「青本の解説が載っていたページのメモを取る」はめちゃくちゃ重要です。。
後々になって復習しようとした時に、

といった時に、時間短縮に繋がります。
僕はこんな感じにメモを取ってました。
仮に8月から勉強を始めたとして、一日15問のペースで進めても、約2ヵ月弱で青本を1周することができます。

青本を1周行っただけでは、なかなか理解も不十分なはず。
2周目、3周目に入ると、1周目の半分、もしくは3割くらいの時間で終えることができます。
合否の分かれ目は青本を数周してから!
個人的には、青本を数周して、「更にもう1つ対策をするかどうか」が試験の合否を分けるところだと思います。
というのも、青本は圧倒的な問題数があります。
「じゃあ青本だけやっていれば完璧?」
と聞かれたら、そんなことはありません。
僕も、青本8周くらいして試験本番に臨みましたが、青本だけやっていたら確実に落ちていました。
なぜなら試験問題は、青本から出るのではなく、講習会のテキストから出るからです。
青本ばかりやってしまうと、しだいに「青本だけやっていればOK」と錯覚してしまうのですが、試験は講習会テキストから出るんですよね。
極端なことを言えば、講習会テキスト全てを暗記できれば試験に受かります。
さて、青本を数周してから次にやるべき勉強としては、
①講習会テキストの細かい点を読みまくる
②呼吸療法認定 再現過去問題集
のどちらか、もしくは両方をオススメします。
人によっては、「青本を2,3周した時点で、時間がない!」という人もいるかもしれません。
その場合は、再現過去問題集を取り組むことをオススメします。
再現過去問題集は、青本と比べて、選択支が文章形式になっている問題が多いです。
例えば、
青本の場合
1.空気感染である。
2.二類感染症である。
3.好発部位は肺尖部。
4.初期変化群は自然治癒する。
5.塗抹検査で確定。
再現過去問題集の場合
1.初期変化群から結核を発症することはまれである。
2.ストレプトマイシン等により肺結核は克服された。
3.2週間以上咳嗽が続く場合は、X線撮影が推奨される。
4.マクロファージで殺菌されなかった結核菌が増殖し滲出性病変が形成される。
5.初期変化群は通常多くは自然治癒する。
というように、再現過去問題集は、ほとんどの問題は文章による選択肢となっています。
そのため、かなり細かいところを問われる問題も多く、理解を深めやすいです。
また青本には載っていない「状況設定問題と」いった応用問題も再現過去問題集にはあります。

ちなみに余談ですが、認定士プロジェクトグループには、再現過去問題集とは別に、「再現過去問題集 応用編」があります。
応用編は時間があれば取り組みたいところですが、3か月から試験対策をする場合、青本、講習会テキスト、再現過去問題集だけでいっぱいいっぱいになると思います。
あれこれ行うテキスト、取り組む問題集を広げるよりも、基本は①青本、②講習会テキスト、余裕があれば③再現過去問題集が良いと思います。
青本や再現過去問題集が売ってなかったら…?
試験3ヵ月前だったら、まだ問題集もネットで売られています。
しかし、どちらも数量限定であり、特に人気の高い青本は、比較的早めに売り切れる場合があります。
そのため、

といった迷える子羊が生まれることがあります。
タイミングにもよりますが、メルカリでは前年度の青本が出品されることも多いので、売り切れていた場合は、メルカリも参考にしても良いと思います。

まとめ:青本だけでは試験合格は難しい
認定試験の合格基準は明確に発表されていません。
僕は自己採点の結果、午前7割5分、午後7割くらいの手ごたえで合格することができました。
僕の友人には、午前5割、午後5割の正答率で合格した人もいます。
試験自体は5者択一なので、最後まで諦めずに勉強を続けることができれば受かると思います。
普段の業務で忙しい人やプライベートで勉強どころじゃない人にとって、この記事がお役に立てれば幸いです。