この記事はこんな人に向けて書いています。

こんにちは、理学療法士7年目のホシノといいます!
突然ですが、「リハビリサマリーって作るのって大変」と感じたことありませんか?
言葉遣いに気をつけつつ、見ず知らずの相手がわかるように、手紙を書く。
さらに担当患者さんの注意点を、こと細かく書かなければいけません。
リハビリサマリーは、PTOTにとってかなり重荷となっています。
でも、サマリー作りはコツがあります。
そして闇雲にリハビリサマリーを書いていると、貰う側としては「なんだこれ…」と困惑させてしまうことも、少なくありません。
この記事でわかること
- わかりづらい、イラっとするサマリーの特徴
- 理解しやすくて、感謝されるサマリーの特徴
- リハビリサマリーを作るコツ
僕は、総合病院(急性期→回復期)で働いた後、今は訪問看護ステーションで働いています。
「維持期」「慢性期」の分野で働いているため、回復期などを経由して、サマリーをもらことも多いです。

頂いたサマリーの中で、
「このサマリーはすごいわかりやすい!担当者と会ってみたい!」
「これはちょっと…イラっとするな…」
といったサマリーの特徴を今回まとめてみました。
サマリー作りに悩んでいる方はぜひ参考にどうぞ~!
そもそもサマリー作りは、基本的に難しくて大変

と悩む新人さんもいるでしょう。
サマリー作りに悩む新人さんに、まずお伝えしたいのは、
- そもそもサマリーを書くのは、めっちゃしんどい
ということ。
というのも臨床で働く理学療法士、作業療法士、その他スタッフは、時間がありません。
業務後に、患者さんの記録や計画書作りに追われて、体も頭もヘトヘト。
サービス残業に苦しみ、身を削りながらサマリーを作る人もいるでしょう。
そんな状況で、顔も素性も知らない相手に手紙(サマリー)を出すんです。
大変じゃないはずがないんですよ…!
でも、サマリーを作っていくと、次第に作り方のコツがわかっていくもの。
サマリー作りは、ベテランさんでも得意、苦手が別れやすいです。
そのため、新人さんでも、ベテランさんを「ぐぬぬ…」と言わせるような、わかりやすいサマリーを作ることも可能です。

貰ってイラっとするリハビリサマリのー特徴4選
頂いたサマリーの中で
「なんだこれは…」
「全然わからん…(-_-*)」
とビックリしたサマリーもいくつかあります。
共通点をざっくりまとめると、以下の4点
- 経過がわからない
- 退院時の問題点がわからない
- ポイントがわからない
- 誤字、文の誤りがやべえ
それぞれ簡単に解説していきます。
特徴1.経過がわからない
例
急性硬膜下血種で入院された患者さんです。現在は、おおむね目立った麻痺はありませんが、歩行はT-cane見守りレベルです。引き続き歩行能力の維持、向上を図っていただけると幸いです。
→入院時はどうだったんでしょうか…。
頂くサマリーの中で、たまに
- 入院時
- 途中
- 退院時
の3つの評価がないことがあります。
どんな状態で入院してきて、どんなことをやって変化して、どんな状態で退院したのか。
の3つがないと、結構困ってしまいます。
初回評価がないと、「リハビリでどれくらい良くなったのか」というのがわかりません…

特徴2.退院時の問題点がわからない
例
右膝TKAをされた患者様です。歩行自立を目標にリハビリしてきました。現在はゴール達成レベルです。また膝の屈曲ROMも120度と良好です。引き続きリハビリをよろしくお願い致します。
→おー!すごい!でも、今の問題点はなにもないのでしょうか…
おそらく問題点が一切見つからず、完璧人間になって退院する患者さんはいないはずです。
高齢者になると、なにかしらの病気やケガを抱えて、リスクと隣り合わせです。
そのため
- 「今の問題点」「今後、問題になりそうな点」
の記載があると、とてもわかりやすいサマリーになります。
特徴3.ポイントがわからない
例
左股関節をBHAされた患者様です。基本動作訓練を中心にリハビリを行い、歩行練習にも重点も置きました。その後は、家屋調査も行い、ADL練習も反復して実施しました。
→リハで一番頑張ったことはなんでしょう…?
上記のようなサマリーは、担当者様の頑張りは伝わります。
でも「あれもやった」「これもやった」というのは、ポイントが見えないぼんやりとした印象を持ってしまいます。
繰り返しになりますが、サマリーの難しいところは、文章で伝えなければいけないことです。
「全部大切!全部を伝えたい」と書くと、掴みどころのない文になるので注意しましょう
特徴4.誤字、文の誤りがやべえ
例
現在の問題手は、高次脳障害により、ADLがあがっxってこないことです」
例
入浴は体力がなくて、自立は困難です。なぜなら体力がないからです。
→いや~本当に勘弁してください…
誤字脱字は、いや、まぁ見落とすこともあるかもしれない。
でもあまりにも誤字脱字がひどかったり、日本語がおかしいと、書いたサマリー見直したのかな?と思ってしまいます。
サマリーを書く側としては、サマリーを書いてはい、終わり。
患者さんとの関係性も切れて、そこで終了かもしれません。
でも、患者さんの人生はこれからも続くし、患者さんは退院後もリハビリを頑張ろうとしています。
そのため担当患者さんにできる「最後のアプローチ」だと思って、丁寧にサマリーを作っていただけると、貰う側も嬉しいです。


貰って嬉しくなるリハビリサマリーの特徴4選
続いて、貰ってハッピーになるリハサマリーの特徴をお話します。
ざっくり特徴をまとめると、下記の4点。
- キャラクターの評価が丁寧
- バックグランドの評価がある
- リハで頑張ったことの記載がある
- リハで上手くいかなかったことの記載がある
特徴1.キャラクターの評価が丁寧
例
リハビリには意欲的な方です。自主トレを指導すると、熱心に取り組んでくださりました。お話好きで、手芸が趣味の方です。他の患者さんと趣味活動を通して、入院中過ごされていました
こんな風に
- どんな人柄なのか
- リハビリ以外で、どんな風に過ごされていたのか
というような文面があると、その患者さんがイメージしやすいです。
上記だと「リハビリにも熱心で、ハキハキしていて、明るい人なんだろうな~」という印象を持ちます。
しかし

と思う人もいるかもしれません。
でも、キャラクターの評価はとても大切です。
たとえばリハビリに消極的、意欲的ではない方であれば、初回評価時に、より慎重に対応しながら進めていくことができます。


特徴2.バックグランドの評価がある
メモ
ご家族様と生活していますが、日中は独居ですので、不安を感じております。
メモ
現在も仕事をされており、執筆関係の仕事をしています。
というように、患者さんの背景があるだけで、だいぶありがたいサマリーになります。
ポイントとしては、
- 自宅でどんな風に生活されていたのか(入院前の状況)
- 家族はどんな人で、協力は得られそうか(介護力)
- 社会活動、仕事に参加しているのか(社会参加)
の3点の記載があると、イメージしやすいです。
これ、ICFを使って丁寧に評価していれば、そこまで難しくありません。
でもサマリーになると、記載がないことが本当に多い。ICF、ICIDHをあまり活用できていない方をちらほら見かけます。

特徴3.リハで頑張った点の記載あり
例
リハビリの中でも、特に基本動作の獲得に重点を置きました。なぜなら、この患者様は体重が大きく、起き上がり動作含む、介助量がかなり大きいからです。そのため、介助量負担のために、まずは起き上がり動作に着目しました。
リハビリ期間が長くなると、サマリーも長くなる傾向があります。
行った訓練や、注意したことをながながと書いてしまうことってありませんか?僕はあります 汗
でも、ダラダラと長いサマリーって、読み手になると、かなり伝わりづらいんです…。
そのため、ポイントを絞って
- リハビリの中でも特に重点を置いたこと
があると、明快でわかりやすいサマリーになると感じます。

特徴4.リハで苦労した点の記載あり
例
歩行自立を目標にしていたが、現在は見守りレベル。入院中に転倒を繰り返し、バランス機能が向上しなかったことが問題点として挙げられます。
改善点ばかり書きたくなるのが、サマリーです。
送った相手には、「リハビリ頑張ったんだぞ!」と良い印象を持ってもらいたくなりますよね 汗
でも、
- 「ここは失敗したな」「ここは上手くいかなかった」
というサマリーは担当者の努力と大変さが伝わります。
そして、そんな苦労した情報が、サマリーの貰い手としては、欲しいです。
読み手としては「ここが問題点なんだな。重点的に評価してみよう」と戦略が立てやすい。
個人的には、改善した点よりも、失敗した点のほうが、100倍有意義です。


わかりやすく、伝わるリハビリサマリーを作る2つのコツ
ここまで「イラっとするサマリー」「嬉しくなるサマリー」の特徴をまとめてきました。
サマリー作りのポイントをまとめると、以下になります。
- 経過をしっかり書くこと
- 退院時の問題点を書くこと
- ポイントを絞って書くこと
- 誤字、文の誤りには注意すること
- キャラクター評価の記載があること
- バックグラウンドの評価があること
- リハビリの中でも特に頑張ったことを記載すること
- リハビリでうまくいかなかったことを記載すること
上記のことを意識することで、より伝わりやすいサマリーになります。


という迷える子羊もいるかもしれません。
そこで「文章構成力」「サマリー力」を上げる方法が、下記の2点です。
- 書いたサマリーは誰かに見てもらう
- 作ったサマリーはコピーを取っておいて、保存しておく
それぞれ簡単に解説します
コツ1.書いたサマリーは誰かに見てもらう
何度も繰り返しになりますが、サマリーの難しさは文章で伝えることです。
会話なら伝えられるのに、サマリーだと途端に上手く伝えられなくなる。
支離滅裂な文章になって、頭がパニック…という経験をした人も多いでしょう。
なぜ文章で伝えることが難しいのか?
それは
- 客観的な目線で、サマリーを書くことできなくなるから
です。
そのため、一度書いたら、誰かに見てもらいましょう。
やっぱり誰かに見てもらうことで、「得られること」や「気づき」は多いです。
「ここがわかりづらい」「読みづらい」と指摘してもらうことで、グッとわかりやすいサマリーになります。

コツ2.作ったサマリーは保存しておく
新人さんにこそ、オススメしたいのがこれ。
- 作ったサマリーは保存しておくこと
です。
サマリーを出したらそこで終わり。ではなく、できたらコピーを取ってファイリングしておくべきです…!
というのも、一か月後、半年後、一年後に読み返すと、新しい発見も多いです。
「サマリーは客観性が大切」
という話をしましたが、時間が経ってから見直すと、客観的に見れるようになることも多いです。
「この文章わかりづらくて、イライラするな…」
「俺、こんなサマリー渡していたのか…」
と後悔したり、反省することもあります 笑
後悔できる、ということは、反対に言えば、直すポイントもわかるということ。
次回サマリーを書く時は、過去のサマリーの反省を活かしていけば、次第にわかりやすいサマリーが作れるようになります。

まとめ:リハビリサマリーは「担当者の愛情」
サマリーを貰っていてよく感じるののが、サマリーは
- 担当者の愛情
ということです。
サマリーを送ってしまえば、担当セラピストと、患者さんの関係性は切れてしまいます。
そのためサマリー業務は、サボりやすく、手を抜きやすい。
いい加減に仕事をしても、自分はその責任を追わないのです。
だからこそ、一生懸命にサマリーを書いてくださるセラピストは、本当に素敵だと思います。
何より文章から、愛情を感じます。
「この理学療法士さんは、本当に親切で、愛情をもって、リハビリをしてきたんだな」
と思うと、こちらも気が引き締まるもんです。
サマリー1つで、「全力でリハビリをしないと!」と次の担当者を奮い立たせることができるんですよ。
そう思うと、リハビリサマリーは、やりがいが詰まっていると感じませんか?
この記事が、すこしでもあなたのサマリー作りの、手助けになれば幸いです。


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