
インシデントを起こしてしまった…。もう何やってんだろう…。セラピスト失格だ…。
こんにちは!理学療法士7年目のホシノといいます。
突然ですが、「インシデントを起こして死にたい…」と悩んだことってありませんか?
- 歩行練習中に転倒させてしまった
- 車イスへのトランスファーで、介助しきれず転落させた
- 気づいたらルート抜去してしまい、看護師さんから怒られた
などなど、リハビリをしていると起こしてしまう事故は様々。
事故を起こした後に「もう俺の人生終わった…」と悲観的になることもあるでしょう。
でも自分の責めすぎは禁物。
なぜならインシデントは、誰も起こす可能性があるヒューマンエラーだからです。そしてインシデントは、成長の種。
自分の未熟な点を改善させることで、パワーアップすることもできます。自分を責めすぎず、だけど楽観的にとらえず、インシデントとしっかり向き合うことが大切です。
この記事でわかること
・インシデントを起こした時の心構え
・インシデントを再発予防するためのコツ
・自分を責めすぎてしまった時から回復する方法
僕は1年目の時に、リハビリで患者さんを移乗する際に、ルート抜去してしまったことがありました。
当時は「もう死にたい…」と絶望を感じていましたが、先輩からは「お茶でも飲んでゆっくり休んで」と言われたことが、いまだに忘れられません。
インシデントは誰もが起こすもの。

自分を責めがちな新人さんはぜひ参考にどうぞ!
【新人PTOTへ】インシデントを起こした時の3つの対策と注意点。
インシデントを起こした時には、まずどうすればよいか。
ポイントは下記の3点です。
- まずは落ち着くこと
- なぜインシデントを起こしてしまったのか振り返ること
- 他のインシデントも参考にすること
それぞれ解説していきます。
ポイント1.まずは落ち着くこと

インシデントを起こして、絶望を感じているそこのあなた。
まずは落ち着きましょう!
もしかしたら、インシデントを起こしてしまい、1週間ほど引きずることもあるかもしれません。
気分が沈み込んで、仕事に集中できないこともあるでしょう。
患者さんを転倒させて、頭をぶつけてしまったら、
「急変したらどうしよう?」
「硬膜下血種になったらどうしよう?」
など、心配が止まらないと思います。
でも、起こしてしまったインシデントは、仕方ありません。
もう起こしてしまったんです。時間は戻りません。
だからこそ、まずはゆっくり深呼吸。
落ち着いて、目の前の患者さんのリハビリに集中してみませんか?
どうしても頭から離れない、という場合は、家に帰って美味しものでも食べて、早めに寝る。
深く悩んだって仕方ないんです。
反省することも大切だけど、まずは気持ちを落ち着かせるが大切ですよ!
ポイント2.なぜインシデントを起こしてしまったのか振り返ること

余裕が出てきたら、起こしたインシデントを振り返ってみましょう。
「なぜインシデントを起こしてしまったのか」
たとえば、歩行練習中に転倒させてしまった時は、
- 自分の介助の位置が悪かった?
- よそ見していたから?
- そもそも歩行の距離が長くて負荷が大きかった?
- バランス評価を過信していた?
などなど、いろいろな原因が出てくるはず。
インシデントによっては、明確な原因がわからないかもしれない。
でも「これは失敗だったかも…」と原因を一つ一つ潰していくことが、再発のリスクを抑えることができます。
なにより対策をしないと、再び同じようなインシデントを起こす可能性があります。
1回2回のミスは、新人さんであれば仕方ありません。
重大なアクシデントを起こさないように、今できる対策をしていきましょう!
ポイント3.余裕があれば、他のインシデントも参考にしよう

新人さんであれば、どのPTOTも似たり寄ったりの事故を起こす傾向があります。
たとえば、
- 歩行練習の転倒
- 移乗動作時に点滴が抜けてしまう
- マーゲンチューブ(胃管チューブ)を抜かれてしまう
などなど、似たようなインシデントが多いです。
そこでオススメしたいことが、
他の人が起こしたインシデントを知ること
同期や一つ上の先輩、後輩が起こしたインシデントを知ると
「自分も気をつけよう」
「似たよなことがあったな…注意しなきゃ…」
という心がけができます。
ほとんどの職場には、「インシデントレポート」や「報告書」がファイリングされてます。
自分の気持ちが整理できた後に、他の方のレポートも見て、事故予防に努めましょう。新人さんであれば、教科書を読むよりも、職場内のインシデントレポートを読んだ方が、得られるものが多く、即時性があります。
インシデントを起こした時に絶対NGの2つの行動
インシデントを起こした時の対策をまとめました。
反対に、やってはいけないこともあります。それは下記の2つ。
- 自分を責めすぎること
- 患者さんのせいにすること
それぞれ簡単に説明していきます。
NG1.自分を責めすぎること

インシデントを起こした後に
「もう理学療法士やめようかな…」
「もう死にたい…」
と悩んだ経験ありませんか?僕はあります 笑
このように「もう辞めようかな」と自分を責めるくらい悩むのは、精神衛生的によろしくない。
ずっと自分を責めていると、「守りのリハビリ」になることもあります

離床の必要性が高いのに「怖いからベッド上でやろう」とか、T-cane練習しなきゃいけないのに「平行棒で歩こう」と、考えたことありませんか?
保守的なリハビリは、患者さんへ良いアプローチも提供できません!
何度も言うように、インシデント(医療事故)は必ず起きるもの。
医療事故や、インシデントはほとんどがヒューマンエラーと言われています。
機会などで完全に予防することができません。
そのため、人間の「注意不足」「評価の過信」などがキッカケで起きるので、必ず起きます。
「絶対にあるなら、気にするのも時間のムダだね~」
とあまり反省しないことも、問題だけど、自分を責めすぎることも問題ですよ!
ハインリッヒの法則ってご存知でしょうか?
1件のやばいアクシデントがあったら、その背景には30件のインシデントが起こっている。さらにその裏側では、300件の異常(ヒヤリハット)があるよ!という法則です。インシデント1件起こしたら、その背景には、何十件もの異常が起きていることです。
それはあなたの周りだけではなく、職場全体やリハビリ科全体の異常かもしれません。
インシデントを起こしたら、自分だけで抱えないで、職場全体で問題を共有して、予防することが大切です
NG2.他の人のせいにすること

「ルートが抜けたのは、看護師さんのルート管理のせい!」
「転倒したのは、患者がこっちの言うことを聞かなかったから…」
という方がいます
たしかにインシデントを起こしてしまった要因は、患者さんやその他スタッフも関係しているかもしれない。
しかし、
「患者さんが悪い」
「周りの責任」
「俺のせいじゃない」
という考えは、とてもリスキーです…。
上記のハインリヒの法則のように、インシデントの背景には、ヤバいアクシデントや、小さなヒヤリハットがあります。
「自分は悪くない」と考えていると、そのうちヤバいアクシンデントを起こす可能性も。
・患者さんの命に関わるような、大きな事故
を起こすこともあります。
たまに理不尽なインシデントで、患者さんのせいにしたくのもわかります。
たとえば、病棟で一人で歩いてはいけないのに、一人で歩いて転倒。
病棟ADLを管理していたリハビリが責任を持つ。
といったケースもあります。
それでも、当事者意識を持って、
「なにが原因だったのか?」
「予防策はどうすれば良いか?」
と考えることが大切。
泥臭い作業ですけど、試行錯誤して一つ一つ改善点を見つけていくこと。
これが医療であり、リハビリだと感じます。

自分ができる改善策を考えてみて、インシデントをバネに成長につなげましょう。
どうしてもインシデントが頭から離れない時は?


インシデントを起こしてから、その場面がフラッシュバックする…

頭から全然離れなくて悩む…
という人もいるでしょう。
はじめて転倒させてしまうと、その時の場面が、脳裏にこびりつくことも。

僕も移乗練習で、はじめて転倒させてしまった時は、1週間は引きずっていました
そんな時は 誰かに相談しましょう。
どうしても頭から離れない時は、友達と悩みを共有してみよう。
「この間、○○さんを転倒させてから、リハが消極的になってね…」
「ずっと頭から離れなくてね~」
と悩みを打ち明けるのは、オススメです。
意外と周りの同期も、先輩も、同じような経験をしているもんです。
先輩に相談した時、「私も1年目の頃はインシデント起こしてから、守りのリハしかできなかったな~w」という返答をもらいました
話していくうちに、気持ちがスッキリします。
悩んでいるのは自分だけじゃなくて、周りも同じように悩んでいるんだ、という安心感も得られます。
そのためインシデントを起こした時は、積極的に誰かに話してみましょう。
それでも、頭から離れなかったら?
と、聞かれたら、
・時間が解決するのを待つ
のも手だと思います。
やっぱり気持ちを急に切り替えるのは大変。
転倒させた翌日から、「よっしゃ!今日もガンガン歩行練習するで!」みたいに切り替えるのは、かなりしんどいです。僕は無理です 汗
時間は万能薬。
失恋でも時間がキズを癒してくれるように、気づいた時に、気持ちがラクになっていることも多いですよ。
まとめ:インシデントは成長の種

「転倒させてしまった」
「もう理学療法士辞めたい…」
「俺の人生終わった…」
と絶望感を感じることは、誰もが一度は通る道。
でも、インシデントは成長の種です。
ドラゴンボールだって、挫折を経験して悟飯は成長していきますし、鬼滅の刃の炭次郎だって、鬼との敗北をキッカケに成長していきます。
失敗は「成長の源」であり、「今、自分が改善しなければいけない課題」とも言えます。
移乗動作で転倒させてしまったなら、「介助方法が悪かった」と反省できます。
リハ中に点滴を抜去してしまったなら、「ルートの位置が悪かった」「注意が不足していた」と次回に活かすことができます。
失敗を重ねることで、レベルアップできるのがインシデントです。
ぜひ自分の成長に活かしましょう

「悩みすぎ」「自分の責めすぎ」は禁物。ゆっくり気持ちを休ませることも大切ですよ!
「次に働く場所は、人間関係が良くて、楽しくリハビリできるところがいいな」
「サービス残業はなくて、プライベートをもっと充実させたい!」
と考えるなら、大手の転職サポートサービスをオススメします。
なぜならハローワークや求人誌、有名ではない転職サイトだと、圧倒的に求人情報の量で劣るからです。
くわえて職場の裏側の情報にも詳しいサポーターもいるので、ブラック病院を回避できる可能性が高いです。
こちらのわかがまな条件を通しやすくて、給与交渉もしてくれるので、「自分の意見を強く言うのが苦手…」という方は活用しましょう。
それに転職にした方の成功談、失敗談も事前にわかります。
「転職したけど後悔した…」と失敗しないように、職場探しは情報を集めることがなにより大切です。
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