こんにちは、理学療法士をして7年目のホシノといいます。
突然ですが、訪問リハビリに興味はあるけど、「どんな分野かイメージできない…」と悩んだことはありませんか?
学生時代には、ほとんどの学生が病院に行きます。
新卒として就職する現場も、病院や施設(老健やデイサービスなど)が一般的。
「訪問分野」はいまいち想像もできなく、「知識がないと働けない分野」というイメージを持つ人も多いです。
なんとなく敷居の高さも感じますよね。でも、そんなことはありません。
訪問分野は、スキルがあろうとなかろうと、新人さんでも積極的に挑戦してほしいです。
なぜなら、訪問リハビリ分野には、リハビリの魅力が詰まっており、「人間」として成長できることも多いからです。
この記事でわかること
・訪問リハビリで楽しいこと
・訪問リハビリでツラいこと
・訪問リハビリのやりがい
参考まで、僕は総合病院に4年務めた後、訪問看護ステーションに移って3年目になります。
看護師10人、リハビリスタッフ10人程度と規模の小さい事務所ですが、毎日楽しく働いています。
そんな中で経験した訪問リハビリの楽しさとツラさをご紹介します。

新人さんこそ積極的にチャレンジしましょう!人として、大きく成長できる分野ですよ!
嬉しい!面白い!訪問リハビリが好きになる5つの楽しさ
最初に訪問リハビリで感じた楽しさや、嬉しかったことを、ご紹介します。
- 自宅での生活が見れる
- リハビリが多様すぎる
- 死と向き合える
- 関係性をじっくり作れる
- 給料が上がった
それぞれ解説していきます。
自宅での生活が見れる

訪問リハ最大の魅力は自宅での生活が見れること。
特に、その人の人生が垣間見れる時、訪問リハっていいなって思うんです。
50年、60年と過ごしてきた家にお邪魔するんです。家にはいろいろな思い出や歴史があって、その思い出を共有できた時には、「訪問リハって楽しいな」と本当に思います。
「あそこのタンスに傷があるでしょ?娘が中学生の時に喧嘩して、その時にできたものなの」
「いつまでも傷が残っていて、みっともないわね」
といったエピソードを聞いたことがあります。
思い出が詰まった家に、気軽にお邪魔できるのは、訪問リハの特権ではないでしょうか。

ご自宅にお邪魔した時に、この患者さんはこの家で、どんな風に生活してきたんだろう?と想像するのが、ものすごい好きです
2. リハビリが多様すぎる

病院のリハビリとは違い、リハビリ内容も多種多様です。
「自転車で駅まで行きたいんだけど、自転車こげるようになるかね?」
「盆栽作業して、庭仕事したんだけども…」
「孫が生まれて、孫とジャンケンするのが今の目標だね」
というように、いろいろな希望を聞いてきました。こんな要望に応じて、リハビリ内容も変えていきますが、悩むこともたくさんあります。
「自転車漕ぎの動作分析」はしたことないですし、盆栽仕事がどんなものなのかも、わかりません。患者さんから話を聞いたり、思考錯誤を重ねてリハビリすることも多いです。
でも、本人のホープが達成できた時の嬉しさは、病院リハと桁違い。
よっしゃ!!!マジでやった!!!
と心の底から嬉しくなりますし、セラピストとしても充実感あります。

患者さんのことで心の底から嬉しくなるようなことって、今までありますか?
3. 死と向き合える

「死と向き合えること」が楽しみというと驚くかもしれませんが、誤解のないよう説明してきます。
訪問リハは「生活期」「維持期」に分類され、終末期の方もよくいます。そのため担当患者さんが、亡くなってしまうことは珍しくありません。
中には余命数ヶ月の患者さんを担当して、最期にどんなことをしたいのかをご家族の方と考えることもあります。
日に日に弱っていく患者さんを見ては、
・自分ができることは何だろうか?
・セラピストとして、どんなことができるだろうか?
とかなり悩みます。何が正しいのか、わからないことも多い。そんな患者さんやご家族の方と、最期まで関われるというのは、とても貴重な体験ではないでしょうか。
普通に生活してれば、「人の最期」や「死」と関わることなんて、まずありません。
「自分はどんな風に死ぬのだろうか」と考えることもあるほど。
「最期は病院がいい?」
「それとも家?」
「明日死んだら、自分は人生に満足できるのかな?」
など、死や人生について、考えさせられることも多いです。
4. 関係性をじっくり作れる

訪問リハビリは、関係性が長期化しやすいです。訪問リハの頻度は、1週間に1~2回のリハビリ程度。急性期や回復期のリハビリと比べても、多くはありません。
しかし週1~2回のリハが、半年から1年、患者さんによっては2年、3年と続きます。
急性期にいた時は2週間で担当患者さんが入れ替わることが多かったのですが、訪問では関係性をじっくり作れる楽しさがあります。
一度患者さんから信頼感が得られると、訪問する度に患者さんから話題を振ってくるので、とてもリハビリがしやすいです。なにより患者さんから、貴重な体験談を聞けることも多く、日々勉強になります。

戦争の体験談や、今よりも物が少なかった時代の話は、タメになるばかり
5. 給料が上がった

訪問分野に移って給料が上がりました…!
僕の周りにも、病院時代と比べて給料が上がった!という人は多いです。

年収換算で100万上がったという友人もいるほど
給料アップのために、訪問分野に移る人は少なくありません。でも実際に働いてみるとお金よりも、上記のようなやりがいや、楽しさにハマる人は結構多いです。
仕事の満足感も大切だけど、給料も大切。

両方追及できるのが、訪問分野なのかなって思います
うっわ…きつい。訪問リハビリで直面するしんどさ3点
訪問リハビリは楽しいです!
でも、その反面つらいこともあります…。3つほどそれぞれ詳しく解説していきます。
- 別の事業所との連携が難しい
- 雨や雪の日は大変
- 関係性が長期化しやすい
1.別の事業所との連携が難しい

訪問リハビリは、いろいろな職種と協力しながら、患者さんをサポートしていきます。
- 患者さんの主治医
- 担当のケアマネージャー
- 福祉用具のスタッフ
- 訪問看護師
というように、いろいろな方と関わっていきます。
特に治療方向性を決める主治医と、ケアプランを作るケアマネージャーの意見は重要。
*ケアプラン – リハビリや看護師、その他スタッフの意見をまとめた計画書。リハビリの目標も決まる。
しかし、他の事業所のため、勤務時間や忙しさも異なります。
早急に連絡が必要な時にかぎって、連絡が通じないことも多く、連携って本当に難しいなとよく感じます。
訪問看護・訪問リハビリの事業所は、ケアマネから新規依頼がきて、訪問がはじまります。

ケアマネとの関係性が悪くなると、新規依頼が来なくなり、事務所の売り上げにも響くことも…
2. 雨や雪の日は大変

バイク、自転車での訪問する事務所も多いです。僕もバイク移動が中心ですが、雨の日は本当に怖い…!
大雨や雪の日には、常に事故と隣り合わせだなと感じます。都内の訪看で働く友人は、年に1回くらい大きなバイクが事故あると言っていました。地方では、車移動がメインの事業所が多いです。都内でも車を使うところもあります。

もし訪問リハに興味があるなら、移動手段は必ず確認しましょう!
3. 関係性が長期化しやすい

上記の「訪問リハビリの楽しさ」でも紹介しましたが、関係性が長期化することは、時々デメリットにもなります。
たとえば、頭はハッキリしていて、認知機能も保たれている。
でも訪問スタッフに当たりが強い…。
そんな患者さんを担当すると、たまにしんどいな~と感じることがあります 汗
訪問リハに行く度に、怒られたり、怒鳴られることもありました。

でもしんどいのは、最初の3,4か月だけ。半年くらい経つと慣れてきます。慣れてくると、この患者さんも可愛いところあるな~と思えることも
訪問リハビリでやりがいを感じたエピソード

訪問リハをしていて、「マジで良かったな…」という体験談をご紹介します
以前、半年ほど関わっていた担当の利用者さんが、亡くなってしまいました。状態の悪い患者さんや、ターミナルの患者さんを担当することも珍しくはありません。
突然亡くなってしまい、落ち込んでいたのですが、後日ケアマネさんから「最後の挨拶をするから、ご一緒に行きませんか?」というお誘いを受け、お家にお邪魔することになりました。
病院勤務であれば、自分の担当患者さんがなくなると、そこで終了。ご家族の方にも挨拶できず、事務的にリハビリ担当が終わります。
今回のように、患者さんのご自宅に伺い、仏壇の前で手を合わせることができたのは、本当に貴重。亡くなられた患者さんの「その後のご家族の様子」も本来であれば、わからないですよね…。
亡くなる直前までリハビリで関わり、仏壇の前で最期の挨拶ができたことは、理学療法士として幸せだと感じました。
「いつもホシノ君のリハビリを楽しみにしていました」
「最期までリハビリができたことは、主人も幸せだったと思います」
と言われて、思わず泣きそうになったほど。訪問リハでしか経験できないことは、本当に多いです。
新人や回復期の未経験者は向いていない?

僕は総合病院(急性期)で4年働いた後、訪問リハビリに移りました。
当時は周りからこんなことを言われました。
「知識がないとやっていけないよ」
「新人のうちは、苦労するよ」
「回復期経験していないと大変だよ!回復期の先が、訪問リハだからね。」
そして今思うことが、これらは全部気にしなくてOKということです…!
知識がないなら、仕事しながらつけていけばいい。新人のうちは、どこに行っても大変です。
回復期未経験は大変?そんなことはないっすよ…。
訪問分野で3年働いて思うことが、興味があれば積極的にチャレンジするべき!
訪問リハでしか経験できないことはたくさんあります。他の事業所との連携や、世渡りみたいのは、本当に苦労しましたし、勉強にもなりました。
そのためもし、この記事を読んでいるあなたが、訪問に興味あるならぜひチャレンジしてほしい!
周りの意見なんて気にする必要ありません。
自分が進みたい道を選ぶのが一番いいんです。
だって、自分の人生だし、自分の仕事なんだから。
興味のある分野で、働いたほうが、仕事の満足感もありますし、「リハビリ楽しい!」って思えるようになりますよ~!
まとめ:訪問リハビリは「人」として成長できる分野

病院でも看護師や医師、その他のスタッフと関わることは多いです。でも良くも悪くも「同じ職場の職員」。訪問分野では、別の職場の主治医から、担当するケアマネ、さらには福祉用具スタッフと関わっていきます。
そのため「コミュニケーション能力」は超大切です。
時には人に揉まれながら、試行錯誤することも少なくありません。しかし、悩みながら訪問リハビリをして思うことは、理学療法士としてではなく人として成長できる
もちろん病院勤務だって得られることも多いけど、訪問リハにしかない魅力も詰まっていますよ!新人だろうが、知識がなかろうが、興味がある人は積極的にチャレンジしてほしい!こんなことを、新人時代の自分自身に言ってあげたいです。
訪問リハに興味がある方が、すこしでも参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました!
「次に働く場所は、人間関係が良くて、楽しくリハビリできるところがいいな」
「サービス残業はなくて、プライベートをもっと充実させたい!」
と考えるなら、大手の転職サポートサービスをオススメします。
なぜならハローワークや求人誌、有名ではない転職サイトだと、圧倒的に求人情報の量で劣るからです。
くわえて職場の裏側の情報にも詳しいサポーターもいるので、ブラック病院を回避できる可能性が高いです。
こちらのわかがまな条件を通しやすくて、給与交渉もしてくれるので、「自分の意見を強く言うのが苦手…」という方は活用しましょう。
それに転職にした方の成功談、失敗談も事前にわかります。
「転職したけど後悔した…」と失敗しないように、職場探しは情報を集めることがなにより大切です。
リハティップスおすすめ転職会社
・【PTOT人材バンク】
・レバウェルリハビリ
・PTOTキャリアナビ
・メディカルHR
コメント