こんにちは、現役理学療法士のホシノです
いきなりですが、三学会合同呼吸療法認定士という資格を、聞いたことはありますか?
「呼吸認定士」とか「呼吸療法士」と略されることの多いこの資格。
リハビリ職だけではなく、看護師や臨床工学士といったコメディカルから、人気のある資格の1つです。
僕も2017年に受験し、なんとか一発で合格することができました。
とはいえ
「勉強を効率よく進めることができたのか?」
というと、そんなことはありません。
「どこから手をつけていいかわからない」
「どんな問題集が良いのかわからない」
という悩みを持っていて、たくさんの問題集、参考書を買ってしまいました。
中には全く手をつけず、新品のまま本棚に眠っている参考書もあります。
今回はそんな失敗をもとに本当に役に立つ参考書を紹介していきます。
この記事でわかること
- 呼吸初学者でも理解しやすい参考書がわかる
- 試験対策として、効率的に勉強ができる問題集がわかる
自分の勉強を振り返ってみると、
「もっとこの参考書と早く出会っていれば!」
「もっとこんな風に勉強していれば!」
という後悔が絶えません。
今思えばムダな参考書にお金を使い、余計な出費ばかりしていました。
この記事を読んでいるあなたには、同じような失敗をしてほしくない。そんな気持ちで、この記事をまとめました。
呼吸療法士を目指している人は、ぜひ参考にどうぞ~(^^)
三学会合同呼吸療法認定士を目指すならこれ!オススメの問題集や参考書9選!
オススメ1.講習会テキスト

呼吸療法認定士を受ける前には、例年8月に開催される講習会に参加しなければいけません。
この講習会の前に事前に配られるのが、このテキスト。
試験問題の出題範囲も、このテキストが元になってます。
極論を言えばこのテキスト1冊を丸暗記しておけば、試験合格できます。とはいっても、講習会テキストはかなり分厚くて、わかりづらい所も多いです。
なに言っているか全然わかんね。文章ばっかりで読みづれー!!と何度挫折して、ゴミに捨てようと悩んだことかわかりません。
しかし、講習会テキストを中心に勉強することは大切。
繰り返しになりますが、試験範囲は「講習会テキスト」になるため、市販の問題集よりも、講習会テキストが最強とも言えます。早めから講習会テキストを入手しておくと、大きなアドバンテージになります。
ただし例年、テキストが配布されるのは7~8月であり、講習会受講者しか手にいれらない。
市販で買えるものでもなく、友達から借りたり、先輩から貰うといった方法しかないのです。
でも周りに、講習会テキストなんて持っている人なんていないよ…という方は、メルカリがオススメ。メルカリには1年~2年前の講習会テキストが流通していて、過去のものでも十分参考になります。
特に試験発表が終わった12~3月頃は、よく売り出されているので、ぜひチェックしましょう。
オススメ2.青本

呼吸療法認定士を目指した時に、一度は聞く超有名な問題集です。
圧倒的な問題数を誇り、現在は800問以上もの問題数が掲載されています。これほど問題数がある問題集、参考書は他にはないので、アウトプットには最適。
ほぼ全ての問題が、試験を受けた人の意見を元に作成されています。
実質、呼吸療法認定士の過去問といっても過言ではないです。
ただし、青本には大きく2つのデメリットがあります。
デメリット1.解説は乏しい
問題の答えが載っていても、なぜ問題の答えがこの答えになるのかという解説がほとんど載っていません。そのため、解説がわからない時はかなり手間がかかります。
なんでこの答えが「a」になるの?意味不明なんだけど…と何度も悩み、破り捨てようと思ったことかわかりません。
オススメではあるけれど、「使いづらい」という点を知っておきましょう。
デメリット2.早めに売り切れてしまう
講習会テキストと同じく、普通の本屋には売っていません。
公式サイトより購入することができ、数量限定販売となっています。しかし毎年、10~11月頃には完売していることが多いのです。
そのため、いざ勉強しよう!と思った時に、手に入らないことも。早めから準備しておきましょう。
青本もメルカリで売り出されている時があるので、公式サイトにない時はメルカリでチェックしましょう!
オススメ3.呼吸療法認定士 再現過去問題集

認定士プロジェクトグループが出版している問題集です。
毎年改定を続けていて、現在は「青」と「白」の表紙になります。青本と同じく問題集ですが、載っている問題数は約300問ほど。
問題数の数で言えば青本に劣りますが、再現過去問題集が優れている点は大きく2つあります。
メリット1.状況設定問題、応用問題が載っている
実際の試験では、状況を想定した問題や、計算問題、応用問題が出題されます。
この問題の対策がめちゃくちゃ大変で苦戦しました。
講習会テキストだけでは、対策が立てづらく、また難しい応用問題には太刀打ちできない。
青本にも応用問題があるけど、難しい問題なのに解説がない、という絶望的なデメリットがあります。
再現過去問題集であれば、状況設定問題数も豊富です。
なにより丁寧な解説なので
- なぜこの正解がこの選択肢なのか
- 応用問題を解くためにどんな知識が必要なのか
と理解を深めながら進めることができます。
メリット2.解説が丁寧
上記でも触れましたが、再現過去問題集の大きな特徴は、解説が丁寧であること。
ほぼ全ての問題に解説が載っているため、疑問点を解消しながら進めることができます。
特に計算問題の解説にはかなり助かりました…
青本と同じ問題が再現過去問題集にあり、再現過去問題集には計算過程が書かれていたので、助かったこともありました
メリット3.講習会テキストを元に作られている。
問題集の選択肢ほぼ全てが講習会テキストを元に作られています。
それってどういうことなの?と思われるかもしれません。
具体的には再現過去問題集は、選択肢の一文が、講習会テキストの一文をそのまま使っている問題が多いです。
呼吸生理で正しいのはどれか?
- エネルギー産生の際に消費されるO2の取り込みと発生するCO2の排泄は呼吸によって行われる
- スパイロメトリ、肺気量分画は換気能を調べる検査である
- 換気と血流が量的に十分の場合、ガス交換効率は低下しない
実際の本試験の問題は、選択肢がもっと長い問題もあります。
講習会のテキストの内容を正しく覚えてないと、解けない問題も多いため、知識のinputには最適です。
再現過去問題を繰り返していくと、だんだんと問題やその選択肢を暗記していきます。
繰り返し問題集を解いていくことで、講習会テキストの暗記にも繋がるので、本試験の問題にも対応しやすくなります。
なので、試験まで時間がない時は「講習会テキスト」もしくは「再現過去問題」をベースに勉強しましょう。
また再現過去問題集には、応用編があります。こちらは、時間があればやっておくと、合格にグッと近づきます。
再現過去問題集も、青本と同じように数量限定販売なので、注意しましょう
オススメ4.病気が見える vol.4 呼吸器

\ ↑カバーがなくなった! /
病院にいると一度は目にする参考書。
呼吸不全や呼吸器疾患の病態はもちろんのこと、肺機能の検査、血液のガスの解釈まで幅広く解説が載っています。
他の参考書と大きく違うのが、イラスト量です。
病気が”みえる”とあるように、イラストや写真が豊富に使われているため、視覚的に覚えることができます。
問題集を解いてつまづいた時や、講習会テキストを読んでよくわからなかった時に、「病気がみえる」を読み直すと、大体のことは解決してくれます。
オススメ5.新呼吸療法テキスト

3学会合同呼吸療法認定士認定委員会が監修している教科書になります。
つまり、今回の呼吸療法認定士の試験問題を作る団体が出版している本になります。
そのため講習会のテキストと内容や構成、書いていることも似ています。
僕は講習会テキストが手に入るまでは、この本を中心に試験対策をしていました。
分野によってはすこし難しい内容があります。
しかし「病気がみえる」と合わせながら進めると、効率的に理解することができます(^^)
オススメ6.呼吸療法認定士 “合格チャレンジ” 100日ドリル

通称、100日ドリルと呼ばれる本。200問の問題が掲載されています。
「1日2問ずつやって100日で終わらせましょう!」というのが、この本のコンセプトです。
青本や再現過去問題集と比べると、そこまで問題数は多くありません。
- 青本→800問
- 再現過去問題集→300問
- 100日ドリル→200問
と問題数の量だけ見ると、見劣りします。
しかし、青本や再現過去問題集と比べると、圧倒的なメリットが3つあります。
メリット1.問題が厳選されている
問題数は少ないですが、その反面1問1問はかなり厳選されています。
PTOTの国家試験で例えるなら、解剖学や生理学のようなもの。
基礎の基礎のような、大切な知識がギュッと詰まった問題で構成されています。
そんな方には基礎作りとして、100日ドリルはオススメです。
- 呼吸療法認定士をいずれ受けてみたいけど、なにから勉強すればいいかわからない
- 来年度、試験を受けようと思うけど、なにから始めればいいかわからない
そんな方には基礎作りとして、100日ドリルはオススメです。
メリット2.オールカラーで解説されている
オールカラーの問題集は、この100日ドリルだけです。
白黒でもよくね?カラーとか関係なくね?という人もいるかもしれない。
いや~甘い!
勉強嫌いの人間にとって、白黒問題集がどれだけやりにくいことか…!
オールカラーというだけでかなり読みやすいですよ!
メリット3.本屋で売っている
「青本」「再現過去問題集」ともに、本屋では売ってない問題集です。しかし100日ドリルは普通の本屋で簡単に見つけることができます。
それに数量限定という縛りもありません!
「本の雰囲気を知ってから、問題集を買いたい!」といった方はぜひ一度本屋に足を運びましょう。
良い本なのはわかるけど、100日ドリルだけで試験合格ってできるの?と思う人もいるかもしれません。
正直100日ドリルは、
- 問題数が足りない
- 情報量が少ない
ので、これだけでの試験合格は厳しいです…!
ただし、この100日ドリルをやっておくと、青本や講習会テキストにスムーズに移行することができます。というのも、いきなり青本や講習会テキストから初めてしまうと、
呼吸不全の病態とか管理…
人工呼吸器の分野…
何いってるんだ?理解できないぞ?と挫折してしまう人は少なくありません。
100日ドリルで最低限の知識を入れておくと、心が折れる回数は間違いなく減ります。解説もかなり丁寧です。
オススメ7.ねころんで読める呼吸のすべて

本のタイトル通り、横になってごろごろした気分で読める本です。
3学会合同呼吸療法認定試験のために書かれた本ではないですが、呼吸の勉強全般に対して苦手意識、不安を持っている方にオススメしたい本です。
参考書や教科書、というよりエッセイのような読み物に近く、看護師さんや研修医向けの呼吸入門書となっています。
内容自体は手洗い、うがいのエビデンスといったところから始まり、
- spO2の疑問
- 胸部レントゲンの見方
- 薬物療法の方法
など、かなり基礎的な内容が中心です。
中でも「薬物療法」や「吸入薬」の分野は個人的にかなり役に立ちました。
イラストも可愛く、筆者の雑談的なコラムも面白いので、1日あれば簡単に読むことができます。

↑こんな4コマ漫画がたくさんあります。
リハビリ職にとって馴染みのない分野もわかりやすく書かれているので、リハビリ職こそ読むべき、オススメの一冊です。
オススメ8.やりなおしの呼吸と循環とことんマスター

スマートナースブックスシリーズの本になります。
表紙に「3学会合同呼吸療法認定士を目指す前に知りたい超基礎」とあるように、内容は基礎的な内容が多いです。
呼吸のガス交換、酸塩基平衡といった呼吸の生理学や、呼吸不全、酸素療法など、呼吸の勉強を進めるために、必要な”基礎知識”をわかりやすくまとまっています。
約120ページほどで、比較的と薄め。
そのわりには、内容はしっかりしていて、基礎固めには最適です。
気分的にも「ちょっと読んでみようかな~」となりやすいので、勉強嫌いの人でも取り組みやすいです。
大事なことを言い忘れていましたが、イラストがかなり可愛いです。
いたるところにハムスターがひょっこり出てきます。可愛い~!


分かりやすくて、可愛らしい本なのですが、デメリットもあります。
“呼吸と循環”とあるように、呼吸に関わる生理学を中心にまとまっている反面、
- 呼吸リハビリテーション
- NIPPV
- 新生児分野
などは触れられていません。
この1冊で試験範囲をカバーすることはできないけど、呼吸に関する基礎的な知識や生理学が詰まったエッセンスのような本です。
イラストが可愛いので、勉強に癒しを求める人にはオススメです!
オススメ9.早わかり人工呼吸器換気モード超入門

上記で紹介した参考書と同様に、スマートナースブックスシリーズの本です。
「やりなおしの呼吸と循環とことんマスター」で、あまり触れられなかった人工呼吸器の各モードについてわかりやすくまとまっています。
人工呼吸器の基本的な知識や、
- 挿管している時の注意点
- 挿管している人としていない人の呼吸の違い
- 換気モード別の解説
が可愛らしく解説されてます。
もちろんハムスターも健在。たびたび出てくるハムスターが解説してくれます。
講習会テキストを読んでいる時に、
「結局、人工呼吸器のこのモードの一番の目的はなんだろう?」
「このモードと、あのモードの、一番の違いはなんだろう?」
と疑問が湧いた時に、参考することが多かったです。
なによりイラストや図が豊富なので、人工呼吸器分野について苦手意識を持っている人には最適です。


まとめ どの本が一番オススメなのか
試験の勉強を振り返って、役に立った本だけをご紹介しました。
購入した本や、参考にした本は、他にもいくつかあるのですが、今回紹介した本だけでも、試験合格は狙えます。
結局どの本が一番オススメなの?と聞かれたら、時期によるとしか言えません。
試験まで時間がない9~11月から勉強を始めた場合は、講習会テキスト、再現過去問題をベースに勉強することをオススメします。
しかし時間のある3~8月から対策する場合は、100日ドリルをスタートさせて、「講習会テキスト」や「再現過去問題」に移るとスムーズに進められます。
勉強中に「もっと基礎を固めたい」というであれば、「やりなおしの呼吸と循環とことんマスター」が役に立ちます。
人工呼吸器の理解であれば「早わかり人工呼吸器換気モード超入門」を参照して、薬物療法であれば「ねころんで読める呼吸のすべて」が役に立ちます。とまぁ、勉強していてつまづいた時に、手元にいくつかの参考書があると便利です。
引き出しがあればあるほど、スムーズに勉強を進められますよ~!
より具体的な勉強法は、こちらの記事で解説しています。
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