理学療法士や作業療法士は「自己研鑽が大切」という話を聞きます。
よく考えて、よく学べ
自分を磨いていくことが欠かせない職業ですよね。とはいえ、「磨き方がわからない」という人も少なくありません。
特に新人PTOTさんだと、そもそも「何を勉強していいのか」「どんな風に勉強していいのか」と疑問に感じることはよくあることです。
今回はそんな疑問を解説していきます。
この記事でわかること
- 新人さんにオススメの勉強方法
- 試行錯誤して見つけた効果的な勉強法
僕は新人だった頃に
- 家に帰って勉強しろ
- 1年目のうちは、吐くくらい勉強するべき
と何度も言われました。しかし、勉強の仕方を教えてくれる先輩は、ほとんどいませんでした。
手探りで勉強したため、時間もかかり、非効率な勉強を当時していたと、今では思います。
過去の自分に伝えたいことも含めて、効果的な勉強方法を解説していきます!
社会人になって感じた理学療法士、作業療法士の悩み


勉強が大切っていうのはわかっているけど、全然勉強できない…
わかります。よく聞く悩みです。
そもそもなぜ勉強できないのか。
国家試験前は鬼のように勉強できていたのに、今はなぜ難しいのか。
それには、下記のような悩みがあるからだと思います。
- とにかく時間が足りない
- 体が疲れて勉強どころではない
- 勉強の仕方がわからない
- どこから勉強していいかわからない
それぞれ簡単に解説していきます。
悩み1.とにかく時間が足りない
社会人になってまず感じたことは時間が足りなすぎる…!ということ。
仕事を始めると本当に時間が足りない、というか「時間がない」
「あれ24時間ってこんなに短かったっけ?」と思ってしまうくらい、時間がありません。

実家にいる時、仕事終わってから、ご飯を作って、自分の趣味(韓国ドラマ)も楽しんでいた僕の母は、今思えばすごかったのかもしれない
悩み2.体が疲れて勉強どころではない
社会人になって特に感じたことは、疲労感でした。
ずっと運動部に入っていたので、体力にはちょっとだけ自信ありました。
しかし仕事終わりには、足がガクガク、腰がブルブル。目の前にベッドがあったら、今すぐダイブしたい。と、そんな疲労感の毎日で、とても勉強どころではありませんでした。

アフターファイブで友達と飲み会?ゆっくり家で休みたい、というのが本音です
悩み3.勉強の仕方がわからない
「勉強ってなにすればいいの…」と、何度悩んだのかはわかりません。
国家試験であれば、試験範囲が決まっています。国試対策用の問題集、テキストも売られています。
でも、社会人になった今、「そもそも勉強ってどうやるんだっけ…」とのび太のような疑問がぐるぐるループします。
悩み4.どこから勉強していいかわからない
「どこから勉強すればいいんだろう?」と悩んだことありませんか?
歩行観察が苦手だから、とりあえずゲッツの歩行観察の青色の本読んでおく?
それとも、今の担当患者さんが脳梗塞だから、「病気がみえる」でも読んでおく?
どの勉強が正解なのかと疑問がぐるぐるして、気づいた時には布団に入って寝ている。こんな経験ありませんか?

臨床に出た頃、同期と一緒に「勉強ってなんだろね」という会話をしたことがあります。哲学かな
新人PTOTの悩みに対する解決方法

上記のような悩みは、誰でも感じたことはあるのではないでしょうか。僕も新人の頃はかなり悩みました。
しかし、こういった悩みに対しては、下記のような答えを現在は持っています。
- 悩み1.とにかく時間が足りない
→時間は作らないと生まれない - 悩み2.体が疲れて勉強どころではない
→勉強の習慣を作ろう - 悩み3.勉強の仕方がわからない
→疑問点を見つけよう - 悩み4.どこから勉強していいかわからない
→担当患者さんを良くする気持ちを持とう
それぞれ解説していきます。
解決策1.時間は作らないと生まれない
そもそも時間は、あるものではなく「作るもの」
学生の時にように、漫然と時間があるわけではありません。夏休みだって1週間もありませんし。
まずは1日の生活を見直してみましょう。意外とムダな時間を浪費していることがわかります。

僕の場合、ダラダラとテレビを見ていたり、スマホや見てYouTubeを見ている時間が長かったです
そのため
- テレビを見ることを辞める
- スマホを触る時間を減らす
この2点を意識して、時間を大幅に作ることに成功できました。
中でも「テレビを辞める」ことは本当にオススメ。
一日の中でどれだけ「時間」と「集中力」が奪われていたのかを実感します。
テレビを見る時間の減らして、QOLを爆上げする方法について、こちらの記事で解説しています。
解決策2.勉強の習慣を作ろう
まずは1日10分の勉強から、始めてみましょう。
というのも、学生の時のように、1時間、2時間もまとまった時間はとりづらいです。
中にはまとまった時間を確保してから、勉強しよう!と意気込む人もいるかもしれない。
しかし、何度も言うように社会人は時間が足りません。
くわえて仕事終わりから1、2時間勉強しようとしても、疲労感から挫折します。
まずは1日10~30分の勉強からはじめていき、勉強習慣が身についてくると、長時間の勉強も苦ではなくなります。
コツは勉強した日に、カレンダーで大きな 印をつけておくこと。
後から振り返った時に今月はこんなに勉強したんだから今日も頑張ろう!というモチベーションも保ちやすいのでオススメです。
「習慣を作る」という点では、習慣術系の本も勉強になります。
Daigoの「超習慣術」は、勉強やリハビリに活かせるものも多く、かなり読みやすい…!

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読書がキラいな人でもスラスラ読めるので、一読の価値ありますよ~!
解決策3.疑問点を見つけよう
臨床の中で疑問点・ハテナを見つけることが、勉強の第一歩だと思います。
「TKAのリハビリがわからないから、イチから勉強しよう」だと、疑問が漠然として、調べる範囲も広すぎます。心が折れます。
しかし、「担当のTKAの患者さんってどんな術式なんだろう?調べてみよう」だと、疑問点もピンポイント。
また疑問点の解消を通して、担当患者さんの理解も深まります。
他にもカルテを読んだ時に、わからない単語を調べるという方法もオススメです。
- PCAってなに?
- 経皮的インターベンション?
- SAHの「スパズム期」ってなんだよ…
こんな風にわからない単語の意味を調べていくと、疑問点が減り、知識も増えていきます。
なによりカルテなどを通して、定期的に覚えたことをアウトプットできるので、頭にも定着しやすいです!

まずは「疑問点を見つけること」「わからない単語を調べる」ことを意識しましょう
解決策4.担当患者さんを良くする気持ちを持とう
国試のように、日々の勉強が「点数」として現れるわけではありません。
そして100の知識を詰め込むより、確実に使える1の知識のほうがはるかに有意義です。これが臨床です。

じゃあどうすれば使える知識は身につくの?
大切なことは、担当患者さんをなんとか良くしたい!という気持ちを持つこと。
そのため臨床での勉強は「担当患者に関連した勉強」が第一歩です。
たとえば担当の患者さんが、「中大脳動脈の閉塞による脳梗塞」だったら
- 中大能動脈ってどこにあるんだっけ?
- M1とかM2って出てきたけど、この単語ってどういう意味?
- 画像所見はどんな感じなんだろう?
- ここが閉塞すると、どんな症状が出やすいのかな?
というように、担当患者さんに関連したことから、勉強していきましょう。
当たり前ですけど担当患者さんが脳卒中の人ばかりなのに、THAの勉強していても仕事で活かしづらいですよね
僕が見つけた効果的な5つの勉強方法

続いて、勉強してきた中で見つけた効果的な勉強法について、解説します。
具体的には以下の通り。
- 担当患者さんに関連する参考書を買おう
- 先輩に勉強法を聞こう
- 毎日すこしでいいから勉強しよう
- 疑問点はなるべくその日に解決しよう
- ポケットサイズのノートを作ろう
くわしく解説していきます。
1.担当患者さんに関連する参考書を買おう
まずは担当の患者さんに関連した参考書を買うことをオススメします。
直接本屋さんに行ってみて読み比べても良いですし、amazonで評価の高い本を買っても良いでしょう。
参考書を選ぶ時に注意したいことが自分はなにを知りたいのかを意識して買うことです。本屋でパラパラと読んでいると、どの本も良さそうに見えるんですよね。
立ち読み中に「うっわ、この本めっちゃ面白い。初めて知ったわ~!」と感動して衝動買い。
実際に買ってみると、あまり読まなくなってしまい、そのまま本棚に居座っている…。
こんな経験、何度もしました。ただ漠然と「良さそうだから買う」のではなく
- TKAで膝が曲がらないことで悩んでいる。だからその悩みを解決してくれそうな本を買う
- 脳卒中で起き上がり動作が自立しない。効果的な指導方法が載っている本が必要
というように、目的を持つことは、めちゃくちゃ大切です。ぼんやりと買っていると、本屋にお金を貢ぐだけ。そんなボランティアは辞めましょう。
他にも先輩や同期に「なにか良い本ある?」と聞くと、良書と出会える可能性が高いです。
こちらの記事では、個人的なオススメの本も紹介しているので、参考にしてくださいね


2.先輩に勉強法を聞こう
そもそも先輩はどうやって勉強してきたのか。悩んだら身近な先輩に聞いてみましょう。
今の職場で「どうやって勉強していますか?」と周りの先輩、同期に聞いてみると
「聞いたことのない疾患は、まずググって調べた」
「担当患者さんに関連した論文を読んだ」
「勉強したことを友達同士で教え合った」
など様々な返答がありました。
病院によっては「脳卒中に強い病院」「心臓疾患に力を入れている病院」などもあるため、担当する機会が多い疾患もあるでしょう。
んな時に先輩から「これは知っておいたほう」「この本は読んでおくといい」と教えてもらうと、より実践的で身になる知識がつきます。
3.毎日すこしでいいから勉強しよう
上記でもお話したように、社会人は時間が足りません。
なので一日10分で勉強しようぜ!とお話してきました。
僕はというと毎朝、10~30分程度、勉強をしてから職場に行っていました。といっても、担当患者さんに関連した本を読んだり、参考書を読んで「今日はこんなリハビリをやってみよう」と考えていただけです。
でも1、2か月積み重ねていくと、なんとなく治療プログラムの引き出しが増えていくもの。
患者さんのアプローチで悩んだ時に、今までは「A」というリハしかできなかったものが、A、B、Cと選択肢が広がります。
そして看護師さんやドクターが書いたカルテで、知らない単語は格段に減りました。
やはり積み重ねは重要。継続は力なりですね。

朝勉強したほうがいいの?それとも夜勉強したほうがいい?
個人的には朝がオススメです。
なぜなら夜は疲れていて、勉強に集中できないからです。お腹も空いてるし、勉強するよりご飯を食べたい。
「朝が苦手」という人でも、意外と朝勉強すると、集中できることが多いものですよ~!
なにより朝の勉強は生産性が高くなる、というエビデンスもあります。
朝勉強することのメリットや早起きする方法は、こちらの記事でもまとめています。
4.疑問点はなるべくその日に解決しよう
疑問点は次の日に持ち越さない!1年目の時は、とにかくこれを意識していました。
急性期に配属された時、検査方法から術式、聞いたこともない単語など、さまざま疑問点がありました。
その時知らない言葉と出会ったら、調べるまでは家に帰らないを意識していました。さいわいスマホを使えば、なんでも手軽に調べることができます。
「TKA(PS型)を施行した」とカルテにあり、PS型を本で調べようとすると、膨大に時間がかかるでしょう。
しかしスマホで検索すれば10秒もかからずに、イラスト付きで情報を手に入れられます。
スマホは現代最強の教科書ツール。わからないことがあったら、まず検索しましょう!
5.ポケットサイズのノートを作ろう
勉強したことをノートにまとめる人は多いと思います。
その時ポケットサイズ(B7)のノートにまとめていました。というのも、KCのポケットや、ユニフォームの隙間に入れやすいからです。
A4~B5サイズのノートにまとめると、仕事中、持ち運びができないんですよね。
「ノートにまとめたんだけど、思い出せない…」
「ちくしょー!まとめたノート見てええ!!」
という経験を何度もした結果、最終的にポケットサイズのノートに落ち着きました。

ちょっとした空き時間にノートを見返すことで、より知識を定着しやすいと感じます
外部の勉強会って参加した方がいいの?

外部の勉強会って参加したほうがいいのかな?
個人的な意見としては、
行ってもいいし、行かなくてもいい
無理して参加する必要はない
と思っています。
というのも、普段仕事をしている中で「疑問点」を解消していけば、自然と知識が身についてくるんですよね。
もちろん勉強会で得られることも多いですが、むやみやたらにセミナーに参加して「勉強会貧乏」になってしまうのは、禁物。注意点としては、手技的な勉強は、自分一人では難しいということ。
徒手療法やマニュアルセラピーといった手技の勉強は、参考書だけで学ぶことは難しいです。

治療手技や、触診の勉強会は、外部勉強会のほうが効率的だと思います
まとめ:「時間のなさ」と「疲労感」はみんな平等
「時間がない」
「仕事終わりは疲れていて、勉強できない」
というのは、社会人なら誰もが抱えている悩み。
みんな平等なんです。
だからこそ、毎日コツコツ勉強するのは大変だけど、それができたら、周りにはない「自分だけの強み」を作ることができます。
たとえば1日10分の勉強を続けたら、年間3650分、1年間で約60時間の勉強量になります。
たかが60時間と思うかもしれませんが、1年間で60時間も勉強しないセラピストは珍しくないと思います。
毎日すこしの努力が、1年後、2年後には、周りのセラピストと大きな差になっているかもしれない。ぜひ効率的な勉強を身につけて、自分の力を高めていきましょう。
「他にもこんな勉強方法はいいよ!効率的だよ!」というのがあれば、コメントで教えてくださいね。
「次に働く場所は、人間関係が良くて、楽しくリハビリできるところがいいな」
「サービス残業はなくて、プライベートをもっと充実させたい!」
と考えるなら、大手の転職サポートサービスをオススメします。
なぜならハローワークや求人誌、有名ではない転職サイトだと、圧倒的に求人情報の量で劣るからです。
くわえて職場の裏側の情報にも詳しいサポーターもいるので、ブラック病院を回避できる可能性が高いです。
こちらのわかがまな条件を通しやすくて、給与交渉もしてくれるので、「自分の意見を強く言うのが苦手…」という方は活用しましょう。
それに転職にした方の成功談、失敗談も事前にわかります。
「転職したけど後悔した…」と失敗しないように、職場探しは情報を集めることがなにより大切です。
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