居酒屋で正社員として働いていると漠然と将来が不安になったりすることありませんか?
私はかつて30代半ばまで飲食一筋で働いてきた人間でした。
大学は卒業していますが、その後フリーターとなり、バイトとして働いていた飲食業界にそのまま就職した形です。
正直、飲食業はクリエイティブな部分もあり自分に非常に合っている仕事だと考えていました。
しかし、給料や待遇の面については、いつも悩みを抱えた状況だったと振り返って見ると思います。
これを見ているあなたも、現状にはある程度満足しながらも、将来を明確に想像できない方が多いのではないでしょうか。
ここでは居酒屋を含めた飲食業界における今後の展望とあなたにおすすめする打開策をご紹介していきたいと思います。
[st-kaiwa2]自分にはこの仕事しかできないしな~[/st-kaiwa2]
そんな風に思っているあなたにこそ知ってもらいたい内容です。
ぜひ最後までお付き合いください。
居酒屋の正社員の将来は明るい?暗い?
私は2000年ごろから現在まで飲食業界に携わってきました。
そのためキャリアは20年弱ほどあります。
また、現在は自身が設立に携わった飲食関連会社の仕事で月に数回飲食店で働いています。
そんな私が見てきている飲食業界、とりわけ居酒屋業態について将来が明るいかと聞かれたら答えは「NO」です。
なにせ居酒屋というのは比較的参入しやすい仕事として取り上げられるもっともたるもの。
そのため、他業種の会社もどんどん飲食に参入し今やその数は莫大なものとなっています。
そして数が飽和状態になった居酒屋が生き残る可能性はますます減ってきています。
どんな老舗の居酒屋でも代が変わればお客さんも変わります。
また、現在どれだけ売れている居酒屋でもその人気が続くことはほとんどありません。
いまある居酒屋で10年後も変わらず続いている居酒屋というのは全体の5%ほどでしょう。
100軒あったら95軒はなくなるという計算です。
この95軒にはあなたが働いているお店も含まれているかもしれません。
また運よく生き残った5軒に入ることが出来たとしても、あなたの待遇が劇的に上がっているのかどうか…それは保証できません。
はっきりと言ってしまえば飲食店はその日その日の売り上げのみで成り立っています。
もし、そのお店が何かミスをしてしまった(たとえば食中毒や火災など)となれば、しばらくお金が入ってきません。
そうなった場合、あなたへ支払われるべきお金も当然なくなってしまいます。
これは他の業種の会社と違って非常にリスキーな商売の仕方なのです。
不動産屋なら各マンションやアパートが分散されていますし、製造業なら工場やストック倉庫が分かれています。
つまり資産がバラバラに保管されているわけです。
それに対して居酒屋などの飲食店は資産がそのお店でしかありません。
その少ない資産であなたを含めた従業員すべての人生を賄おうとしているわけです。
この観点から考えて、経営者は資産をなるべく残すために、従業員に対する人件費を出来る限り抑えようとします。
それが現状のあなたの待遇に繋がっているということになります。
つまり、居酒屋・飲食経営者は常に資金を潤しておかなければ自身がリスクを背負うことになりますので、どれだけ売り上げが上がっても、それを末端の社員まで回すことは極力しないようにしているわけです。
このようにお金の出入りと資産の仕組みをよく考えたら、あなたの今の給料が上がらない原因が分かるかと思います。
私が飲食店で努めていた時の話。
私が居酒屋などの飲食店で正社員として働いていたときの話をしましょう。
2000年ごろから数年間ITバブルがあり、その間はほかの先輩社員は多少給料も良かったと話していますが、まだ私は若かったためその恩恵を受けていません。
そしてその後はリーマンショックやなんやらで景気は悪くなる一方でした。
だいたい1日12~15時間ほど働き、休みは月4~5日。
これで手取りが20万円ほどです。
健康保険は支払われていましたが、厚生年金に加入させてもらえる会社はわずかでした。
これでは将来的な不安を抱えるのも無理はありません。
お金を貯めようと思ってもできる金額は限られていて、さらには急な出費に対応しようとすればそのお金もすぐに飛んでいってしまいます。
また、職場では上司とアルバイトの板ばさみ状態が続き精神的にもかなり辛かったことを覚えています。
上司や会社からの無理難題な売り上げ設定、それをアルバイトにも伝えながら実践しなければいけない苦しさ。
そもそも爆発的に売れている居酒屋ならまだしも、そうでないお店からすれば市場競争に勝つには相当な努力が必要です。
そしてその努力は個人がいくら頑張っても無意味といえます。
あなたも現在お店を良くしようと努力をしていると思います。
しかし、本当の意味でそのお店がよくなるためにはスタッフ含め経営者なども一丸となって経営改革に乗り出さなければ意味がないのです。
今後の飲食業界はどう変わる?
それでは今後、飲食業界がどのように変わっていくのかを分かりやすくいくつかのトピックに分けて説明していきたいと思います。
① 飲食業界での待遇は現状維持か下降線。
正直、今後の飲食業界が現状よりも劇的に発展する可能性は限りなく低いです。
先ほども話したとおり、飲食店の数はどんどん増えています。
その中で普通の居酒屋が生き残る可能性は低く、さらには価格競争の波に押されて巨大資本を持つ飲食企業だけが残っていきます。
食文化的にもその質は低下し、バックボーンにお金を持ったくだらないお店ばかりが残る悲惨な状況になることでしょう。
そんなところで果たして本当に働きたいでしょうか?
② 働き方改革によりさらなる長時間労働に。
厳密にはこれから先また新しい法案が通るかもしれませんが、直近の未来でいえばこれからはブラック飲食時代がまた戻ってくるといえます。
通常の企業は残業をなくそうとしていますが、飲食業界においてはその真逆を進むと思います。
長時間労働が是正され、正社員はさらに過酷な労働環境になることが目に見えているのです。
そして爆発的なバブルが来ない限りは賃金据え置きです。
これでどうやって60歳まで働いていくことが想像できるでしょうか?
③ 職場環境がよくなることがありえない業界。
たとえば普通の企業であれば社員が結婚をしても仕事が続けられるようにキッズスペースを設けたり、育児休暇を認めたりと先進国にならってその環境を改善しようと努力しています。
しかし、それを飲食業に当てはめられるかといえば…どう考えても無理ですよね。
ワイワイ活気づいている居酒屋のバックヤードに託児室など設けられるわけもなく、また育児休暇なんてものは夢のような話です。
結婚した正社員の従業員に対しては、数日から1週間程度の休暇を一度だけ与えて終わりというところがほとんどの業界です。
その先の面倒を会社は見てくれません。
「子供は社会が育てるもの」
こんなキャッチコピーもありますが、それが飲食業界に当てはまることは、この先数十年経ってもあり得ない話だと私は思います。
客のクレームと店の激務から逃れる1つの方法。
私は居酒屋を含めて飲食業が好きです。
そのためずっと飲食店で働いてきましたし、今後もきっと飲食店で働き続けるものだと思っていました。
しかし、30代半ばになり将来のことを考えたときにふと「このままではまずい」と感じました。
そのきっかけは周りの友人との生活レベルの違いです。
同年代の友人は結婚をして子供もいる、また家を購入するものも出てくる年齢です。
その中で、自分がものすごく取り残されているような感覚になりました。
そう感じたときに私は転職を決意し、別の仕事に就くこととなりました。
飲食業には前述のように関わりのある会社を通じて月に数回携わっています。
今はそうした関わり合い方がベストに感じますし、転職した先の仕事で生計もしっかりと立てられています。
飲食しかできないと思っていた私でしたが、転職サイトを使って見つけた新天地では意外にもスムーズに仕事に慣れることができています。
快適な労働環境ですし、給料・休日など待遇は申し分がありません。
もしあなたが現状に不満や不安を抱えているのであれば、このようにして転職を考えてもいいのではないでしょうか。
今のあなたの立場を打開する方法は、まさにこういった転職に対して前向きに検討することだと思います。
ぜひ一度、しっかりと自分の将来について考えてみてください。
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