やった!1年間頑張って病院で働いたから、今度昇給するんだって!
良かったね。で、いくら昇給するのかな?
それが2000円だって!昇給しないよりはマシだけど、これじゃあ中学生のお小遣いだよ…。しかも住民税とか所得税で昇給前とほとんど給料変わらない…
こんにちは、現役理学療法士のホシノです。
理学療法士や作業療法士として働いていると、様々な悩みを抱えます。
「知識やスキル」はもちろん「人間関係」や「待遇のこと」「症例発表」で悩む人も多いでしょう。
中でも誰しも一度は考えるのが、「お金の悩み」です。
一般的なリハビリスタッフの昇給はかなり厳しく、年に3000円ほど昇給すれば良いほうという声すらあります。しかし年3000円昇給しても、10年で3万円、20年勤めても6万円しか給料アップしません。
毎日単位に追われて、業務後はリハビリ実施計画書作りに追われて、休みの日には勉強会に参加して…。
こんな生活を20年送っても、今の給料より6万円しか昇給しないのです。
そのため将来に悲観的になるPT、OTは非常に多いです。とはいえ、病院や施設で働くセラピストの昇給が渋いのは、事情があります。
そして対策もあります。
少ない昇給で悩み、「うちの病院はクソ!」「全然昇給しない…この職場終わってる…」と職場をけなしているだけでは、なにも解決しません。
今を変えるには行動するしかないのです。
さて今回は、理学療法士や作業療法士が給料を上げる方法と、昇給の疑問について解説していきます。
理学療法士や作業療法士の給料が上がらないのはなぜ?
結論から言えば、「診療報酬」の影響が大きいからです。
病院で働いていると、2年に1回病院がざわつく期間があります。そうです、診療報酬の改定です。診療報酬はリハビリセラピストの売り上げを大きく左右するので、私たちの給料まで大きく影響を与えます。
たとえば2019年時点では「脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)」は245点です。
しかし2006年では同じ算定でも250点であり、今よりも点数が高いものでした。
点数が高くなれば、病院の利益にも繋がり、1日にセラピストが稼げる金額も上がります。
そもそも2006年以前では「脳血管疾患」「運動器」「呼吸」など疾患別の算定がなく、今よりも利益を出しやすい状態。
ただし現状の流れとしては、リハビリに対する風当たりは強い状態…。
以前よりも、稼ぎが悪くなっているのは、間違いありません。
それに現代は高齢者社会。
政府が公表しているデータでは、2065年まで高齢者は増え続けるという推測がされています。
高齢者の人口が増えれば、医療費や介護にかかる予算もカット。
PT、OTの給料も大打撃を受けるのです。
診療報酬の改定で、リハビリへの風当たりが強いのは、「リハビリセラピストの政治家」がいないことも問題なんだ
リハビリを政治的な地位を上げようと「理学療法士連盟」が頑張ったり、PTの「小川かつみ」先生や「山口和之」先生が政治家として頑張っているんだけど、まだまだ課題が多い
そもそも、医者の場合、1回の選挙で40人のドクターが選挙に参加したこともあるに、数年前までは政治家のPT、OTなんてほとんどいない状態。
PTOTの平均的な昇給額とはいくら?
一般的なPT、OTの昇給額は1500~3000円に収まることが多いです。
私立病院か、公立病院という違いがありますが、公立病院であれば公務員扱いです。
20~30代の昇給は微々たるものですが、公務員であれば勤続年数が増すにつれて、昇給額も増える傾向があります。
しかし、昇給には病院の経営状態も大きく関係し、昇給がない病院もあります。
一般職の昇給を調べると、大手転職会社の「リクナビ」が発表したデータでは、
中小企業のへ平均昇給額=3500円
大企業の平均昇給額=6500円
という統計があります。
(参考:【これって多いの?少ないの?】気になる昇給の平均額について調べてみた)
中小企業ですら3500円も1年間に給料がアップしているのです。
病院勤めで1000円、2000円しか昇給していないのであれば、5年10年と働くと大きな差で出てきますよ。
リハビリ職の「10年後昇給率」は低いので注意
病院で働いて3000円も給料アップすれば良いほうでしょ?僕の友達にも、昇給3000円とか5000円って人もいるよ?
昇給が多いことは重要だけど大切なのは「昇給額」ではなく「昇給率」だよ
リハビリ職で特に注意したいのが昇給率です。
昇給率とは「昇給前の給料と比べて、どれくらい昇給したのか」をパーセンテージで表したもの。
たとえば給与20万円の人が、21万にアップしたら、昇給率は、
21万円÷20万円=105% の昇給率になります。
さて一般職や中小企業の10年後の昇給率は、120~140%が平均といわれています。つまり新卒から働いて、10年後には、給料が1.2倍になっているという計算です。
初任給が20万であれば、同じところで10年働いたら、24万円いう形です。
大手企業であれば、10年後の昇給率が200%いうこともザラです。給料が2倍にもなるのです。
1年間に3000円アップした友達の場合、昇給率は…
給料20万の人だと、23万にアップするだけ。昇給率は115%だね
一般企業だと120~140%なんでしょ?なんでそんなに低いの?
一般企業の場合「係長」「課長」「課長補佐」といったポストが多いです。
役職があると「役職手当」がつきやすいため、給料がアップするチャンスも多くなります。病院のリハビリ科の場合「科長」や「副科長」しかないことが一般的。
ポストについて手当を貰うためには、上を引きずり落とさなければいけません。
経験年数が上がっても、「学会が発表している」「別の資格を持っている」という強みがないと、地位が上がらないこともあるんだ
の昇給額そのものを上げるのは、以前よりも難しく、今後はさらに難しくなる傾向があるよ
年収を上げたいなら転職を考えろ
昇給する金額も低い。
昇給額そのものが上がるチャンスも少ない。
こうなると基本給や手当てを増やして、年収全体を底上げするのが一番です。
一番手っ取り早いのが「転職」です。
病院によっては、手取り18万の職場もあれば、手取り23万のところもあります。同じ職場で働き続けるよりも、転職でガツンと給料アップさせた方が近道です。
手取り5万アップすれば、年間60万。
ボーナスも考えると、1回の転職で年収100万アップさせることも十分可能です。
転職かー、どんなところが給料が高いのかな?
給料が良いところは「訪問リハビリ」や「老健」などの生活期分野だね
それに訪問であれば、歩合制を導入しているとこもあるんじゃ。1日6~8件回って、月40万以上稼ぐセラピストも珍しくないよ
リハビリ職は10年、20年勤めたとしても、「給料が変わらない」ということは少なくありません。そして10年、20年働いて「給料全然変わらない…」と嘆く時には、後戻りは不可能。
失った時間と、稼ぐことができたお金は戻りません。
そのためマイホームの購入が夢に終わる…という可能性すらあります。お金に悩みながら子育てに追われる人もいるでしょう。
まさのに家計は火の車。
病院の昇給に期待するのではなく、自分から環境を変えて、行動することがなにより大切ですよ。
結論:一気に給料を上げたいなら職場を変えよう
高齢者の増加に伴い、リハビリの需要は高まっています。
しかし国の方針としては、医療費や介護にかかる予算を減らそうという動きがあります。
そしてセラピストの人数も増えています。
このような状況では、病院や施設の昇給に頼るのは、自殺行為です。
「病院の昇給」に期待することは、「国の予算」や「国が医療にかけるお金」に頼ると言っても、過言ではありません。
ですから今より年収を上げるためには、先を考えながら行動することが大切ですよ。
しかし病院や施設によっては、高待遇を設定してPT、OT確保に力を入れているところもあります。
PT、OTが増えているとはいえ、病院によってはセラピスト不足なのです。
さらに在宅分野では、病院以上にスタッフ不足の施設も多いのです。
年収500~600万を稼いでいる人も珍しくありませんよ。
ぜひ転職にチャレンジして、今の生活やQOLを変えてみましょう。
でも転職って面倒だよね?履歴書とか作るのダルそう…
最近ではリハビリに特化した転職サービスも増えているし、書類作りをサポートしてくれたり、代わりに求人を探してくれる転職会社も増えてるんだ
「次に働く場所は、人間関係が良くて、楽しくリハビリできるところがいいな」
「サービス残業はなくて、プライベートをもっと充実させたい!」
と考えるなら、大手の転職サポートサービスをオススメします。
なぜならハローワークや求人誌、有名ではない転職サイトだと、圧倒的に求人情報の量で劣るからです。
くわえて職場の裏側の情報にも詳しいサポーターもいるので、ブラック病院を回避できる可能性が高いです。
こちらのわかがまな条件を通しやすくて、給与交渉もしてくれるので、「自分の意見を強く言うのが苦手…」という方は活用しましょう。
それに転職にした方の成功談、失敗談も事前にわかります。
「転職したけど後悔した…」と失敗しないように、職場探しは情報を集めることがなにより大切です。
リハティップスおすすめ転職会社
・【PTOT人材バンク】
・レバウェルリハビリ
・PTOTキャリアナビ
コメント